受験校は出題傾向が似ていた方がいいか


過去問演習だけでも大変なのに…



中学入試は複数の学校を受験します。
入試分析会などではひとりの出願校の平均を教えてもらえますが、ビックリするほど多い印象を受けると思います。
実際に受ける学校はそれよりもずっと少ないです。


また、同じ学校を2回、3回、4回と受け続けることもありますので、受ける学校の種類としては3種類くらいかと思います。
千葉、埼玉在住の方はもう少し増えます。
実際に受けるのは3種類であっても、準備としては5種類くらい必要だと思います。


6年後期になると、各学校の対策をします。
対策=過去問演習
ととらえている方も多いと思いますが、それは対策ではありません。
というか不十分です。


例えると過去問演習は、健康診断みたいなものです。
血糖値がかなり高いですね!


これで終わりにしていいでしょうか?


書くまでのこともありません。
そこからが大変で、食事制限だったり、運動して体質改善だったりで、糖尿病や高血圧にならないように取り組むはずです。


このように正しくとらえると、ますます対策は大変です。
5種類の学校の対策をするとしたら、過去問だけでも楽ではないのに、過去問の実施後の対策を5つもするのですから。


よく塾で指導されるのが過去問演習です。
なぜか、その後の対策までは言われないと思います。
第一志望校を多く、第三志望校は少なく、第4、第5志望は2、3年程度というように傾斜させています。


受かる確率の低い第一志望校を増やして、受かる確率の高い第三志望校以下を減らしたら、油断できないどころか不安になってしまいます。


塾がおかしなことを言っているわけではありません。
過去問後の対策をしないで、過去問演習のみでは効果が低いと暗に伝えているだけです。


過去問は、これだけやったから大丈夫という精神安定剤、もっと言うと、これだけやらせたという証拠づくりに利用していると言っても、決して言いすぎではないと思います。



特化した方がいいのか



さて、ここでクルマの話になります。
いつも以上にマニアックな話になりますが、他に相応しい例えが思いつかなかったので、ご容赦願います。


サーキットで速く走ろうとします。
素人の話です。
お金をかけて車を速くするのではなく、テクニックを上げてヒューマンパワーで速く走ることを目指します。


AサーキットとBサーキットで速く走りたいとします。
条件を悪くして、AサーキットもBサーキットも家から遠いところにあることにします。
さてどうしたら良いでしょうか?


がんばってAサーキットもBサーキットも足繁く通えばいいのですが、そういうわけにはいきません。


そういう場合は仕方なく、家の近くのCサーキットで練習して腕を上げます。
AやBとはコースレイアウトがちがうので、厳密に言えば練習にならないかもしれませんが、テクニックが上がれば、AでもBでも速くなるという狙いです。


Cで十分腕を磨いて、たまにAとかBに行って慣れれば、常にA、Bを走る人とくらべても遜色はないような気がします。
少々の有利不利はありますが、それを超越するほどCサーキットで腕を上げれば良いということです。


長くなりましたが、クルマの話は終わりです。
私のイメージでは志望校対策はこのような各サーキットへの対応に近いと思っています。


AサーキットをA中学、BサーキットをB中学、CサーキットをC中学と考えてもらっていいです。


A、B、C中学のどこも入念に対策しようとするのではなく、腕を上げればすべて通用すると考えることができます。


言い方を変えると、例えばA中学が本命であれば、A中学を一生懸命取り組むこと(過去問後の対策もやるという意味です)が、B中学やC中学の対策にもなるということです。


本命ではないB、C中学も過去問はやることになりますが、過去問後の対策は、A中学にはなかった要素で且つ必要な箇所があったら取り組むという形になり、3校だから3倍の負担とはならないはずです。



個性派と典型派



入試問題は、男子の難関校のような個性派の出題の学校と、女子の中堅校のような典型題を集めた典型派の学校に分かれます。


前章ではA~Cの複数校登場させましたが、個性の有無は設定しませんでした。
ここでは、個性派中学と典型派中学を併願する場合を考えていきます。


まず、典型派のみを複数受験する場合に触れてみます。
一般的には過去問をやるだけ(○つけも含めます)で、第1志望校10年分、第2志望校5年分などと言われています。
第一志望校の比重を高めるのが普通だと思うかもしれませんが、難易度で決めた方が良いと思います。


難易度とは合格可能性ではなく、純粋に問題の難易度です。
適正レベルに力を入れるべきです。
第3志望校が10年分、第一志望校が3年分となっても、学力がついて、第一志望校の合格可能性が高まります。


これは難しい問題ややさしい問題をやっても力がつかないという考え方です。
ちょうど良いレベルの問題を解くのがベストです。
お子様の学力と照らし合わせて、ベストを探ると良いと思います。


過去問後の対策までしっかりやるとしたら、塾で指示されている10年分などはできない可能性もあります。
大事なのは年数ではありませんね。


次は、典型派の学校と個性派の学校を受けたい場合です。
個性派の学校の練習ばかりやると典型派の学校が不振になりがちです。


もう少し詳しく書きますと、過去問後の対策は、個性派の問題はあまり有効ではなく、典型派の問題は大いに有効なので、算数の実力が高まりやすいのです。
典型派の学校も受けるのであれば、典型派の練習の比重を高めることが大切ということになります。
志望順位が逆転してもです。
決断に勇気はいりますが、それがベストの選択だと思います。


個性派の学校は1日1問のように小出しでやっていき、解いて終わりでもいいくらいだと思います。


ここまでの話ではイメージが湧きにくいので、具体例を挙げます。

開成(個性派)-聖光(個性派)
桜蔭(個性派)-豊島(個性派)
駒東(個性派)-聖光(やや個性)
渋幕(個性派)-JG(典型派)
栄光(個性派)-慶応普(典型派)
早稲田(やや個性)-渋渋(やや個性)

ともに個性派なら小出しで1日1問ずつ計2問でも良いと思います。
個人的に「通し」でやる意味はあまりないと思いますので。


どちらかが典型派(やや個性を含む)なら、それは過去問後の対策までしっかりやった方が良いです。


難易度に大きな隔たりがあり、楽々合格という状況ならば、そんなことにこだわる必要はないですが、受かるか落ちるかの瀬戸際の場合は気にしたいポイントです。



塾の志望校対策講座は活用できる?



塾の志望校対策講座については、いろいろな角度から書きたいことがありますが、今回は効率の良さです。
前職では、授業中に過去問をやることがスタンダードで、その過年度のデータを集めていましたが、私はその流れには乗りませんでした。
だから仲が悪くなったと思うのですが
そういう塾の環境なら、家での過去問演習時間は節約できます。


ラッキーだと思いますか?


授業料を払っている時間で、家でもできる過去問をやっているんですよ。
ホテルのビュッフェでお弁当持参みたいなものでしょうか…


解説をしているとは言え、弱点部分発見(健康診断)の域から出ているとは言えないかもしれません。


普通は志望校対策講座と家での過去問演習は切りはなして考えます。
2方向から対策をしていくことになります。


よく、志望校対策講座に行っても受からないという人がいますが、授業のあとにしっかり処理をすることが必要で、それをやっていなければ、そう言いたくなることでしょう。


今日の授業で、何が弱いかを見つけたら、それを基礎からとりくみ直すという姿勢が合格率を上げる要素です。


塾で□□中単独講座がないとお嘆きの方もいると思いますが、それはちがいます。
塾で一般的な学校に通用する典型題をやっているのなら、家では典型題の比重を低くすることができるのです。


不要な勉強をやっているわけではないので、塾で欠けた部分を家でやるという感覚でいいと思うのですが。
不安に感じられましたら、塾の講師に目的は何ですか?とお聞きになるといいと思います。



受験は勝負ではないので



今回のブログの最大のテーマは、二兎追うものもやり方によって二兎とも得るという作戦の立て方です。


第一志望校合格率は3割程度ですので、第一志望校専念!では、諺通り「一兎をも得ず」になってしまう可能性が高まります。


典型派、個性派に分けて、それぞれ勉強配分を正しく取り組んでいけば、第一志望校専念!体勢とくらべて、第一志望校の可能性は低くなることはありませんし、第二志望校の可能性は高まります。


欲深いとか、逆に守りに入っているわけではありません。
冷静に取り組み、第一志望校、第二志望校の両方を取ることを目指すと良いと思います。


スポーツの勝負なら、正々堂々と熱く戦って「負けても悔いなし」と思えるかもしれませんが、受験の場合は、勝敗がついて終わりではなく、どこに進学するかを決定するものです。


第一志望校合格だけを考えて、第二志望校は多分大丈夫だろう~
ではいけないと思います。
攻撃こそ最大の防御なりは受験では通用しない考え方だと思います。


今回、志望校対策講座について少し触れましたので、最後にもう一言。


ここ数年の志望校対策という言葉の一人歩きはすごすぎます。


社会でも成熟という言葉は良い意味に使われていないと思いますが、中学受験でもそれがあてはまります。
勝ち組が圧勝するためのツールが志望校対策、過去問演習のような気がします。


そんな成熟した中学受験界の流れに乗らずに、温故知新といいますか、原点に戻って、最後まで基礎力重視(本当の基礎という意味ではなく、オーソドックスな良質の問題演習という意味です)で行った方が良いと個人的には思うのですが。


過去問後の対策は、根本的なところからの学習で時間がかかる場合がありますので、それを除き、過去問を演習する時間は、勉強時間の50%以内に収めると良いような気がします。

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