進学校・付属校


学校の大きなカテゴリーについてです。ここでは「共学・別学」に続いて「進学校・付属校」について書いていきます。

  • 「進学校」とは、中高6年間を過ごし、大学受験を迎える学校、
  • 「付属校」とは、中高6年間を経て、併設の(系列の)大学に進学する学校のことです。

高校の付属校ではなく、大学の付属校のことを、「付属校」というわけです。

ちょっと有名どころを挙げてみると、
慶応普通部・慶応中等部・慶応湘南藤沢・早稲田実業・早稲田大学高等学院・青山学院・明治大学明治・学習院・立教池袋・中央大横浜…といったところでしょうか。

私立の中学校の数からすると、進学校の方が多く、付属校の方が少ないと考えて良いでしょう。

さて、進学校と付属校の良い点・悪い点を挙げてみましょう。大学の進学に直結する分、「共学・別学」というカテゴリーよりも、ある意味切実かもしれません。

付属校の良い点

  • 6年間、自分の好きな部活動・課外活動にうちこめ、学生生活を満喫できる。受験というプレッシャーがないため健やかに育つ生徒が多い。
  • 6年後にはほぼ大学に進学できるので、浪人する可能性がほぼない。
  • 学部を選ばなければ、成績が悪くとも、なんとか大学進学ができる。
  • 中高大10年間、同じ友人とつきあえるので、親交が深まる。

このあたりは特別な説明は不要でしょう。もっとも、エスカレーター式に併設大学に進学できる付属校であること、一定の希望の学部に進学できる成績を保っていることが大切です。「浪人生活」をどうとらえるかは価値観が別れるところですが、経済的に楽と言うことはないと思われます。

付属校の悪い点

  • 学部を選ばなければほぼ進学できるため、6年間あまり勉強しない可能性がある。
  • 成績が足りず、希望の学部に入学できないとき、他大学を受験することが難しい。
  • 中高で自分のやりたいことが見つかったとき、希望の学部がないことがある。
  • 国立大学に進学する可能性はほぼ無くなる。
  • 理系の学部への推薦枠が少ないことが多い。
  • 12歳時点での学力で大学まで決定してしまうことに抵抗がある。
  • 中高は近かったが、大学のキャンパスは遠かったということがある。
  • 学費がやや高め。
  • 女子大付属の場合、10年間女子のみの環境となる。

付属校は「併設大学に進学することを前提として」カリキュラムを作成していることがほとんどです。ですので、教師の趣味としか思えないような授業内容であったり、(必修ではないものの)第二外国語があって、みんなで履修したり…と「大学受験に対応するための体制はとられていない」ケースが多いです。そのため、希望の学部への推薦枠がとれない場合(たとえば医学部)、他大を受験することが非常に難しく、進路変更が容易でない、ということが最大のデメリットです。同じ理屈で、国立大学への進学もほぼないと考えて良いでしょう。国立大学に価値をおくかどうかはご家庭のご判断です。

付属校に進学する場合の注意点としては、どのくらいの割合で併設大学への推薦枠があるのか、また条件はどのようになっているかを、よくチェックしないといけません。「エスカレーター式に大学に上がれると思って進学して部活に打ち込んでいたら、先生から『このままじゃ大学への推薦ができない』と言われた」というケースがあります。

また、「成績順に学部を選べるが、成績が悪く、まるで興味を持てない学部の枠しか残っていなかった」「希望の学部はあるが、付属校から進学できる可能性はほとんどと言っていいほどない(慶応大学医学部など)」などというケースが見受けられます。

進学校の良い点

  • 東大・京大をはじめとする国立大学へ進学する可能性がある。
  • 自分のやりたいことが見つかったとき、希望の学部を複数受験することができる。
  • 大学受験勉強をするので「付属校から上がってきた生徒」よりも学力が高い。受験を乗り越えた分だけ精神的にたくましくなる。

国立大学に価値をおくかどうかはご家庭のご判断ですが、やはり中高6年間の間で「○○になりたい!」という夢が芽生えた場合(たとえば「弁護士になりたい」となった場合)、進学校に在学していれば、東大・一橋・早稲田・慶応・上智・青山・明治…と、様々な大学の「法学部」を受験する、ということが可能です。

また、付属校からの理系の学部への推薦枠は基本的に2~3割くらいですので、理系の学部を選ぶ場合は進学校に進んだ方が断然有利です。理工学部・医学部・薬学部などへの夢が生まれた場合、進学校で良かったと感じると思います。

進学校の悪い点

  • 大学のランクだけを見たとき、中学受験時から見てランクが下がる可能性がある。
  • どんなにうちこんだ部活動でも、高校2年生、早ければ1年生で引退となる。
  • 浪人する可能性がある。

例えば、中学受験のときに、明治大学明治の合格を辞退して、浅野中学に進学し、
「あわよくば東大・一橋・早稲田・慶応」と思っていたら、
明治大学にさえ合格できなかったというようなケースもあります。

しっかり覚悟を決めておかないと、後悔の元になるかもしれません。

部活動への関わり方なども含め「6年間のびのび過ごせる」ことに価値をおくのか、「大学進学」に価値をおくのかを、はっきりさせておいた方が良いでしょう。

最後に補足しておくと、筑波大学付属駒場中学校・学芸大学付属世田谷・お茶の水女子大付属などの国立大学付属は、国立大学の研究期間としての色合いが強いことから、そもそも大学への推薦自体がありません。

また、フェリス女学院・早稲田中・神奈川大附属などは、推薦で進学する生徒もいますが、ほとんどの生徒は他大学進学を目指しますので、カリキュラムも大学受験対応型で「進学校」に含まれます。

付属校を希望されている場合は、

  • 卒業生の何割が系列大学に進学しているか
  • 進学者の学部の内訳
  • その大学より格上と思われる大学の進学者数
  • その大学より格下と思われる大学の進学者数

これを見ると、6年間もしくは10年間、どのような過ごし方ができるか想像しやすくなると思います。
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